今さら人に聞けないスイッチの基礎
「抵抗膜式タッチパネル編」
一般的な抵抗膜方式、静電容量式、光学式の比較
方式 | 価格 | 厚み | 分解能 | 耐久性 | 検出回路設計の容易さ | 手袋・ペン操作 | |
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抵抗膜 | アナログ | 良 | 良 1~2mm程度 |
良 文字書き可 |
普 | 普 | 可 |
デジタル | 良 | 良 1~2mm程度 |
劣 文字書き不可 |
普 | 良 | 可 | |
静電容量 | 投影 | 普 | 良 1~2mm程度 |
劣 文字書き不可 |
普 | 良 | 不可* |
表面容量 | 普 | 良 1~2mm程度 |
良 文字書き可 |
良 | 劣 | 不可* | |
光学 | 劣 | 劣 20mm程度 |
劣 文字書き不可 |
良 | 劣 検出回路とセットになる |
不可 |
*静電容量対応の手袋・ペンであれば操作可
抵抗膜方式の構造
アナログ方式とデジタル(マトリックス)方式の違い
アナログ方式 | デジタル(マトリックス)方式 | |||
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汎用性 | 良 | 汎用性が高い。分解能が高く細かい検出ができる。キー位置が自由に選択できる。 | 普 | キー位置はキー寸法及びキー配列によって限定される。 |
周囲寸法 | 良 |
周囲の引出パターンが4~5本のため額縁が小さくできる。 (狭額縁) |
普 |
キー数に応じた引き出しパターンが必要。 (額縁寸法が広い) |
検出回路の容易性 | 普 | 検出回路、検出用ソフトがデジタルに比べ複雑になる。 | 良 | 検出回路、検出用ソフトが単純。 |
検出信頼性 | 普 | ITO膜の均一性を利用しているため、材料の劣化に弱い。 | 良 | ON/OFF検出のため、材料の劣化に強い。 |
見た目 | 良 | キーエリアの境がなく見栄えが良い。 | 普 | キーエリアの境が見えるため見栄えが悪い。 |
2点押し | 普 | 2点押しはできない。 | 良 | 2点押しができる。 |
デジタル(マトリックス)方式
X1~X3の順にパルス信号を加えます。Y側が押下されるとX側のパルス信号がY1~Y4のいずれかに検出されます。信号を出したX側と信号を受けたY側が定義され押下位置を判定します。
アナログ方式(4線式)
X1-X2間に電圧Vccを加えA点がタッチされると、等価回路で示すようにY1に電圧VAが発生します。
ITO膜は均一な抵抗値をもっていますので、電圧はR1とA点から両端の電極(X1、X2)までの距離は抵抗R1とR2の抵抗値の比と等価となり、距離と抵抗値に比例関係が成り立ちます。
A点の電圧はR1とR2の関係から求めることができ、電圧値VをA/D変換することで位置がデジタル値として求めることができます。
下部電極YもXと同様に位置を検出しY座標が検出できます。
4線式 | 5線式 | ||||||
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上部電極X方向と下部電極Y方向に電極を配置しX方向は下部側電極、Y方向は上部側電極で検出します。
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下部電極周囲4辺に電圧印加用の電極を配置し、上部電極は検出専用となる。
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